子どもって、がんばる!。。。親が来るまで。。。

ハルヒコくん(仮名・4歳児クラス)、39℃です!」

 担任の先生が、事務室に言いに来る。看護師、出動。4歳児クラスに入ると、ちょうど、おやつの時間。

 ハルヒコは、満5歳、なかなか体格のよい男の子だ。でも、喘息があって、よく体調を崩す。見ただけで、顔が赤い。これはもう、しっかり熱が上がっている。

「先生(=わたし)と一緒に、医務室でおやつ食べようか?」とやさしく聞くと、すなおにうなづく。さすが、4歳児、物怖じすることなく、わたしと一緒に医務室に歩いて行く。

 39度。もちろん、高熱だが、子どもの場合は、熱の高さと重症度は比例しなかったりする。ハルヒコくんも医務室に入ると、置いてあるオモチャですぐに遊び始めた。しかし、その動作がどこか雑である・・・、やっぱりダルいのだろう。

 担任の先生が、彼のおやつをお盆に乗せて持ってきてくれる。彼の布団も一緒に・・・、あれ?、なんか湿ってる!。「え?、あ、湿ってますか?。午睡の時にオネショしちゃったんですけど、布団はだいじょぶかな、と思ったんですけど」。

 別に医務室にも布団があるのでいいのだが、やっぱり、オネショも体調のせいかな。

 さて。

 お迎えが来るまで、わたしとハルヒコくんの2人切り。ハルヒコくんは、あんまりわたしに懐こうとはしない。ふてくされた表情で何を聞いてもろくに返事をしない。

「おやつを食べるとき、のどが痛い?」聞くと、うなづく。でも、完食。よし。

「もう1回、お熱、計らせてね」だまって、それるがままになっている。やっぱり39度。

 しかし、お迎えが来るまで、2時間ほどかかるという。

「ゴロンしてていいよ」と言っても、ハルヒコくんは首を振る。医務室にあるオモチャは、せいぜい1~3歳児向け。彼には幼すぎてつまらないはず。それでも、一通り、そこにあるすべてのオモチャで遊んでいる。・・・乱暴な動作で。

「クリスマスだね。サンタさんに何お願いしたの?」「任天堂スイッチ」おお、ハルヒコくんがちゃんと答えた。。。

「よし、すみれ組(4歳児)のお部屋から、絵本持ってきてあげる。何がいい?、ポケモン?」ハルヒコがうなづく。

 ウォーリーを探せ、のポケモン版みたいな絵本。2人して、時間をつぶす。

 長い、長い、時間。水分補給をうながす。30分おきに検温。39.5℃・・・。

 ハルヒコくんの方から話しかけてくる。「お迎えは?」「・・・もう少し、待ってようね」・・・長い、長い、時間。

 医務室の外が騒がしくなる。ようやく、パパ到着!

 パパの顔を見た途端、ハルヒコくんの表情が溶ける。ふにゃ~っとなって抱きつく。そして、いつものとおり、パパの言うことを聞かずにふざけ始める。『ほら、これ来なさい』なんて言われながら・・・

 

 子どもって、がんばってるんだなぁ、と思う。えらかったね、ハルヒコくん。

 

 保育園看護師ののんびりすぎる日常の一コマ。

 今日はこのへんで。